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主にソフトウェアに関する日々の標準出力+標準エラー出力

ソフトウェアテスト技法ドリル勉強会で出題してきた。


昨日、Niftyさんで行われた「ソフトウェアテスト技法ドリル勉強会」にて、1章の課題出題、解答と解説を担当させて頂きました。企画、幹事、スタッフのみなさまには貴重な機会を頂き、ありがとうございました。

まずもってNiftyさん至れりつくせりすぎ。

今回の勉強会はNiftyさんの「@Nifty エンジニアサポート」というサービス?を利用して開催されたのですが、およそ50名はゆうに入れる(しかもスクール席)であろうフロアをはじめ、演台、フロアの前面と中程に配置されたプロジェクターとサブモニター(シンクロして投影)、ホワイドボード、無線LAN設備まで解放という凄まじい仕様でした。


また、大森駅周辺の繁華街のおかげで、突発の懇親会がものすごくやりやすかったのも利点だったかなと思います。

さて本題

催しのサブジェクトにもあるように、本勉強会は先日のJSTQBレポートでも少しふれた、秋山さんによる神本「ソフトウェアテスト技法ドリル」の内容に沿って、執筆者である秋山さんご自身も実際に会場におられる中で参加者同士が本書の内容を解説、課題の出題を行うというワークショップ形式をとっています。


第1回となる今回は、本書の中から、1章「点に注意を向ける」2章「線を意識する」の2節を扱い、私は1章の課題を担当させて頂きました。この章立てのタイトルをみて「おっ?」と思われた方も多いと思いますが、この本のすごいところは、数あるテスト技法を、その技法が狙う、カバーする範囲をn次元という形で整理して、その具体的な実践方法を課題と一緒に紹介されているところだと思います。こういった形式のソフトウェアテストの書籍は少なくとも国内でははじめてではないでしょうか。

1章「点に注意を向ける」

内容の解説は並木さん、課題は私の担当でした。本章で扱う内容はテストベースからピンポイントで危険な部分を探す技法として、鈴木三紀夫さん考案の三色ボールペンによる仕様解析と経験ベースの技法の紹介。内容のおよそ半分が三色ボールペンによる仕様解析でしたので、課題もこちらを扱う事にしました。というか経験ベースの技法はハンズオンには向かないかなあという判断もあり。反省点として、昔作ったMP3プレーヤーに関する仕様を扱ったのですが、サンプリング周波数やビットレートなど、ちょっとドメイン知識を要するものになってしまったなあと。課題の内容はこちら


講義の解説終了後、「意地悪テスト」の考え方について、会場に居られた鈴木三紀夫さん、秋山さんにそれぞれ伺ったところ、鈴木三紀夫さんからは世の意地悪テストケースを集めて整理しなおし、その観点を漢字一文字で現すという試みをされているとのお話、秋山さんからは過去の類似製品で起きたトラブルから想起して現行製品への入力に置き換えてみる、という無茶ぶりにも関わらず非常に実践的なお話をいただきました。

2章「線を意識する」

内容の解説は井芹さん、課題は世界のナガアツこと永田さん。”線を意識する”、つまり何らかの連続するデータをクラス分けしてテストの効率を向上させる技法、およびその特質を突くテストの考え方を扱っています。ソフトウェアテストについて学び始めて最初に出会う技法である事も多いことでしょう。なかでも同値分割法はこの先に学ぶほとんどの技法でデータを扱う時の基本的な考え方であるため、その概念を確実に抑えておく必要があります。講義資料については井芹さんより公開のお知らせがありましたのでご案内。


次回など

ソフトウェアテストのワークショップは製造系と比べて極端に少ない傾向にあるため、本勉強会は大変貴重な機会であると思います。次回開催は12/3、告知はTEFにて。国内のソフトウェアテストに関するコミュニティ公告は大抵こちらで行われますので、加入されていない方はこの機会に是非どうぞ。


http://www.swtest.jp/wiki/index.php?swtest.jp/wiki/forum


また、トゥギャッターでも当日の会場のリアルな様子がまとめられていますので、そちらもご参考に。